陸上養殖システムのヒューマン・アンド・ネイチャー
環境にやさしく、初期コストを抑え、どなたでも平易に扱えるシステムです。
標準化された寸法・形式の船用冷凍コンテナを利用することで陸上養殖のユニット化を実現しています。ユニットの複数利用で生産量を拡大することが可能です。
断熱性の高い使用済み冷凍コンテナ(約-26℃まで冷却可)の室内を、エアコンでアワビの最適飼育温度(18℃)に設定し、生物ろ過槽、泡沫分離装置に室内空気を吹き込むことで飼育水温度を室温と同じ温度にすることができます。 20フィート型の冷凍コンテナの室温と飼育水温を、一年を通して18℃に保つには、10畳用の一般家庭用冷暖房エアコンで十分対応可能です。
節電対策が進んだ一般家庭用冷暖房エアコンを使用しているので、高圧ガス取締法の適用外となっています。さらに、冷凍コンテナの断熱性は高く飼育室内外間の熱損失は少なく、使用電力を低く抑えることができます。
水槽用材料としてプラスチック類が一般的ですが、製造の容易さや製作費用等を考慮してFRPを使用しました。水槽表面には防水塗料(エポキシ塗装)を塗り、耐久性を高め、飼育面積を増すため二段構成(4m水槽)を採用しています。
飼育水は、飲料用の水道水に、実績のある人工海水用塩を溶解し、塩分濃度を調整し海水と同等の濃度としたものを使用します。塩素殺菌されている水道水を飼育水に用いることには、飼育水には初期段階では雑菌がほとんど無い状態となり、飼育開始時の罹病率、斃死率を下げ安全性が高まる利点があります。生物ろ過は、アワビの排泄物や残餌等の有機物から発生する有害なアンモニアや亜硝酸を分解して、アワビが健康に生育できる水環境を維持します。
アワビの体表面粘質等や残餌から生成されるアンモニアは泡沫分離装置で除去します。
泡沫分離装置は、海水と空気を混合させて気泡を作り、アンモニアが生成される水質悪化原因物質や雑菌を気泡表面に付着させて取り除く装置です。また同時に飼育水への酸素供給も兼ねます。
これらに加え、新たに脱窒素装置をオプションで取り付け可能のなりました。
飼育水槽の中に編み目の飼育かごを設置し、アワビ稚貝を分散させるとともに、残餌や排泄物を飼育水槽の底に落としアワビと残餌や排泄物を分離しています。
飼育水槽の掃除は、先ず飼育かごを揺らして残餌や排泄物を水槽底に落としてから飼育水を適量抜き、水槽底に溜まった残餌や排泄物を掃除機で吸い取ります。編み目の飼育かごの設置により清掃も簡単に行えます。
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