ヒューマン・アンド・ネイチャー

陸上養殖システムのヒューマン・アンド・ネイチャー

開発の経緯と想い

海から陸へ

海から陸へ

魚類を典型とする養殖では、残餌、糞、死骸等の堆積、可溶成分の溶解、さらには堆積物の微生物作用による変容・変質と有害物質の溶出、抗魚病薬及び成長促進等のための薬剤散布などのため、養殖海域は、慢性的な汚濁負荷に晒されてきました。

養殖は、海上、陸上であれ自然環境に悪影響が少ない方法で行なう必要があります。
しかし、海上で養殖を行う以上、沖合い養殖であれ海洋への環境負荷は小さくありません。一方、陸上養殖では排出物の管理が海上に比べ容易であるとともに、再利用利用することも可能であり、限りなくリサイクル及びセロエミッションを実現できるシステムの構築が可能です。

本システムの開発元である「海洋政策研究財団」は、平成17年度から環境保全と採算性の改善を基本的課題としたアワビ陸上養殖システムについて調査研究を進め、中古船用冷凍コンテナ内にアワビの養殖システムを収納して、初期投資・ランニングコストを抑え、環境にやさしい「アワビ陸上養殖システム(SOF 養殖システム)」の開発に成功しました。 当社では、このシステムをベースに改良・改善を進め「アバロニファーミングシステム」としてご提供しています。

食料自給率向上を目指して

魚貝類イメージ

日本の年間の水揚量は年々減少し、多くのを輸入に頼っています。また、魚介類の世界的な需要はますます増加傾向にあり、近年まさに水産資源の争奪戦が行われている情況です。
一方、日本では本格的な高齢者社会を迎え高齢者にとって健康的な食品である魚介類は、さらに需要が上がると予想され自給率の向上が望まれるところです。

自給率の向上のために、従来の海上養殖の生産量をあげることも検討の余地はありますが、あらゆる産業がゼロエミッションを目指している今日、魚介類の自給率向上のためとは言え、現状の海上養殖はこのような目標からは遠く、さらなる増産、発展を期待し得る環境にはないといってもいいでしょう。

陸上養殖は、陸上のあらゆる場所で行え海上を汚染せず、環境負荷・持続性・安定性において海上養殖と比べとても優れています。また、沿岸部ではなくともあらゆる地方の方々が魚介類生産に参入することが可能となります。さらに、弊社システムでは、これまでの高価な陸上養殖生産では実現できなかった、コスト面と労働力の負荷を大幅に軽減することを実現させました。陸上養殖システムは、日本や世界の食料自給率だけではなく、コストや労働力の軽減でも大きく貢献していく新しい生産スタイルなのです。

アバロニファーミングシステム

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